パッケージの標準機能で加工/返品/サンプル品管理をシステム化
在庫管理の精度向上と業務効率アップに成功

代表取締役の今井貴宏氏

導入の背景

独自の生産体制を構築して特注品に注力

advantage uniform――。

「ユニフォームは、お客様企業が“成長・発展の勝利(advantage)”を勝ち取るためのツールである」が、ミスズユニム株式会社(以下、ミスズユニム)の英文スローガンです。
東京・台東区蔵前に本社を置く同社は、「ユニフォームは企業を語る顔である」という信念を貫きつつ、ユニフォームの企画生産・販売を積み重ねて、2020年に創業70周年を迎えました。

事業は、企業向け特注ユニフォームの販売と、メーカー既製品(カタログ定番品)販売の2本柱。売り上げは半々くらいです」と、ミスズユニム株式会社 代表取締役の今井貴宏氏は語ります。ユニフォーム販売業界全体で大手商社が存在感を強めるなか、ミスズユニムは、着る人の意識向上や会社のイメージアップなど、きめ細かな付加価値をつけやすい特注品やカタログ定番品への付帯加工に力を入れているのです。

「ただし特注品は、提案力、契約デザイナーの確保、縫製をはじめとする生産・加工サプライチェーンの整備・納期管理など、自社でものづくりのできる体制を作っておかなければなりません」と今井氏。
ミスズユニムは、国内および中国などの海外に、十数カ所の協力工場ネットワークを構築して、特注品においても小ロット対応・低価格・短納期を追求しています。

代表取締役 今井貴宏 氏

代表取締役 今井貴宏 氏

柔軟なデータ活用で需要予測の精度を上げたい

ユニフォームは、業務開始の『その日』に全員の分が必ずそろっていなければならない、ここが受発注・在庫管理のポイントです。各人のサイズはバラバラですから、入社してから測定し、注文したり縫製したりしていたら間に合いません。特に、生地を国内で染めてから海外へ送って縫製するといった工程を必要とする特注品は、準備期間を7~8カ月みておかなければならない場合もあります。カタログ定番品でも、刺繍・プリント・ワッペン付け、あるいは、裾上げ、サイズ調整などの付帯加工には、作業量に応じた準備時間が必要です」と今井氏は説明します。
そのため同社では、顧客企業と話し合いながら、大枠のサイズ・枚数を事前に準備してストックしておき、直前に微調整するという在庫管理をしています。ただし、過剰に作れば損になりますし、準備枚数が足りなければ「その日」に間に合いません。

「営業担当者は、数年分の出荷履歴などを表計算ソフトに取り込んで分析し、次年度に向けて確保しておくサイズごとの枚数を決めています。予測の精度を上げるためには、必要と思われるデータをいろいろ使って、各自が分析を工夫したりしなければなりません。以前の販売管理システムはこの『データ活用』がまったくできないのが悩みでした」と今井氏。

過去の出荷履歴を検索して画面表示・集計・印刷することはできましたが、表計算ソフトに取り込める形式でのデータ出力ができません。データ分析をしたい社員は、まず、画面や印刷した紙を見ながら、表計算ソフトへ過去の数値を手入力するという準備作業をしなければなりませんでした。

時代遅れになったシステムを人間が我慢しながら使うのでは、仕事の効率が悪く、かえってコストがかかってしまう」と今井氏は考えました。2016年、ちょうどリースアップのタイミングと重なったこともあり、システム更改に踏み切りました。

導入のポイント

「業界専用パッケージ+カスタマイズ」で業務効率化をレベルアップ

従来のシステムは、販売管理の汎用パッケージに、サイズ入力ができるようにするなどのカスタマイズを加えたシステムでした。
「15~20年使い続けて、仕事の流れはできていました。しかし最近の業界向けパッケージシステムを見ると、表計算ソフトでの別処理や手作業で対応している業務までシステム化が可能になってきた様子です。旧システムは、汎用パッケージをカスタマイズしたものだったため、システム化できない業務がたくさん残ってしまいました。けれども、もともと業種特化したシステムを出発点にして、そこへさらにカスタマイズを加えれば、システム化できる領域が、9割、10割と広がるのではないかと思うようになったのです」と、今井氏は2016年当時の心境を語ります。

複数の業界向けパッケージを検討しましたが、種類が豊富なファッション・アパレル向けパッケージは、ユニフォームの生産・販売とは必要な機能がかなり異なっていました。
カスタマイズをしなくても、パッケージの標準機能だけで、サイズ管理がきちんとできる、加工管理も返品管理もサンプル品管理もできる、ここまでユニフォーム業界の業務を網羅しているパッケージは、『楽商カラーサイズ』だけでした」と今井氏。
表計算ソフトへのデータ出力が楽にできることも確認して、「楽商カラーサイズ」の導入を決めました。

システム担当者がいなくてもまったく支障なくシステムを運用

パッケージ製品でありながらカスタマイズが柔軟に行えるのも、「楽商」シリーズの特長です。
ミスズユニムは、福岡県飯塚市に500坪の物流センターを設け、顧客仕様ユニフォームの在庫管理、加工や補修、事業所別・個人別に仕分けてのアソート出荷をしています。そこで、物流センターの流通管理業務を支援するためのカスタマイズを、随所に加えました。

カスタマイズのもうひとつのポイントは、発注データ入力時点で、1品ごとに管理情報をきめ細かく入力できるようにしたことです。その結果、明細単位で仕分けして納品先を変えたり、倉庫・刺繍会社・プリント会社へ送った商品の在庫を本社から1品単位で見られるようになり、生地・刺繍糸・ワッペンなどの副資材も個別管理できるようになりました。

「旧システムからの引き継ぎは心配したのですが、思っていたよりもスムーズでした。最初の4~5カ月間、新・旧システムを同時並行して動かしましたが、社員のほうがすぐに新システムの操作に慣れてしまったくらい、楽商カラーサイズは使い勝手がよかった」と今井氏はにこやかに語ります。

使い始めてから足かけ6年経ちましたが、システムの機能も、JSTのサポートも、今井氏は高く評価しています。
「『楽商』のメンテナンスはリモートで的確に行われ、サーバーやプリンタの不具合についても、JSTに連絡すればすばやくサポートしてくれます。当社にはシステム担当者はいませんが、まったく支障なくシステムを運用できています」と今井氏。
しかもメンテナンスサービスの価格が安いのも、「楽商」シリーズの特長です。

導入の効果

「マスターの事前登録不要」が「すばやいリピート入力」をもたらす

主な導入効果としては、「入力作業の効率化・時間短縮」、「在庫管理の徹底」、「柔軟なデータ活用」の3つが挙げられます。
「まず、商品マスターの事前登録が不要になりました。マスター登録されていない商品も、伝票入力すれば自動的にマスター登録されるため、仕事の流れがスムーズです」と今井氏。
旧システムはマスター登録しないと伝票入力ができませんでしたが、万単位の数にのぼる品番をすべて事前登録するのは時間的に不可能です。多くは「その他」でひとくくりにして入力していたため、後から条件検索して履歴を再利用することができませんでした。商品マスターの事前登録が不要ということは、「その他」扱いをせずに正確な情報を入力でき、ひいてはきめ細かな在庫管理ができることにつながっていきます。

ユニフォームメーカー100社弱の最新製品をオールジャンルで取り揃えている

ユニフォームメーカー100社弱の最新製品をオールジャンルで取り揃えている

「ユニフォームはリピート注文のビジネスであり、お客様は『前回と同じ』というひとことで注文してきます。新システムなら、過去の台帳から検索・表示させて選択入力できますから、リピート入力が格段にスピードアップしました。販売単価や仕入原価を調べる手間もかかりません。加工情報まで検索・選択入力できるため、加工指示の間違いも起きません」と今井氏は言います。

東京本社内でも刺繍等の追加工ができる体制を整えている

東京本社内でも刺繍等の追加工ができる体制を整えている

見積書作成機能も活用しており、見積から受注へとデータ連携させるだけで、再入力の必要がないことも業務効率アップに役立っています。

加工/返品/サンプル品管理のシステム化で在庫管理の精度が向上

緻密なデータ入力ができるため、加工管理、返品管理、サンプル品管理も隅々までシステム化され、それらを反映した在庫管理の精度が上がるのは、「楽商カラーサイズ」の大きな特長です

加工管理には、伝票入力中に画像確認ができるので手配ミスが起きない、手配書・加工指示書などの帳票も発行できる、得意先別・カラー別・サイズ別で単価を登録する機能も標準で備えているなどの特長があります。

「わたしは、備考欄まで履歴として追える点を高く評価しています。備考欄には、サイズの明細、刺繍糸の色番号など、非常に大事な情報を書き込んでいるからです」と今井氏は言葉を添えます。

ユニフォームはサイズ交換が多く発生するため、返品管理が標準機能で楽にできることも大きな評価点となっています。以前は、返品数が合わないなどの問題が起きると、仕入データまでさかのぼって検索したり、紙の伝票を繰ったりして大変な手数がかかっていました。今はさまざまな条件で検索・追跡し、何がおかしいのかをすぐに把握することができます。

 サンプル品管理も、以前は手作業であり、記録するのを忘れたために、数が合わないといった事態も発生していました。現在は、貸出品の受発注管理ができ、受注すればそのままサンプル品引き当てもできます。サンプル残もいつでも確認でき、回収もれを防ぐ体制が整いました。

ユニフォームは、5年、10年と、長期間にわたるアフターフォローの継続が重要

ユニフォームは、5年、10年と、長期間にわたるアフターフォローの継続が重要

在庫管理もきめ細かくできるようになりました。
たとえばLサイズの服を、Mサイズにサイズ調整加工して納品するときも、システム内での在庫移動はスムーズです。
受注残をリアルタイムに把握できるようになったのが一番大きな進化だと感じています。お客様へのサービス向上にもつながるからです」と今井氏は強調します。
また、加工前のユニフォームは、ミスズユニムから加工先へ送る場合もあれば、メーカーから加工先へ直接配送してもらうこともありますが、それらを合わせて加工先にいまある在庫を1品単位でいつでも見られます。

柔軟なデータ活用はよりよい経営の原動力

出荷履歴などのデータを簡単な操作で表計算ソフトに取り込んで活用・分析できるようにすることは、システム刷新の直接の動機になったほど重要な要件でした。
「とにかくデータが見やすくなりましたから、わたし自身、どのメーカーからの仕入れが多いのか、逆に減っている仕入先があればその理由は何かをチェックしたり、在庫金額を見て売上とのバランスを考えたりするようになりました。分析したことは、月に一度は営業担当者へフィードバックしています」と今井氏。

また、顧客企業から、「請求書のPDFをメール添付して送ってください」と言われれば、機敏に対応しています。
帳票印刷に使う紙の消費量は激減し、紙のファイルも目に見えて減りました。
月締め、棚卸から無駄な作業が減ったことも、業務効率化に貢献しています。

商品マスターの事前登録不要で、リピート入力も楽にできるようになった

商品マスターの事前登録不要で、リピート入力も楽にできるようになった

今後のEDI発注システム、EC受注サイト実現へ期待

「さらに幅広い業務をシステム化して、業務効率アップ、コスト削減をしたい」と考える今井氏。
「本当は、メーカーから提供される商品データの一括登録をしたいところですが、各社でフォーマットが異なるため、実行できていません。もしも一括登録ができるようになり、その正確なデータを元にメーカーとのEDI受発注システムを構築できれば、加工管理・返品管理・サンプル品管理はもっと楽になるのですが・・・」と、今井氏は両腕を組みます。

折りしも、メーカー10社ほどで構成されるLU協議会(レディース・ユニフォーム協議会)では、受発注から返品、決済までの流れを共通の形でデジタル化することを最終目標に設定し、これを実現するために、マスターデータの共通化に取り組んでいます。作業服メーカーもこの動きに基本的に賛同しており、作業服業界のEDIシステムをLU協議会と連携させることなどが強く期待されている状況です。
「JSTは、ユニフォーム販売代理店の業務に精通していることから、LU協議会のプロジェクトに参画して、販売代理店の要望をメーカーへ伝える役割を果たしていると聞きました。がんばってもらいたい」と今井氏は力を込めます。

ミスズユニムは、顧客企業からの受注も、FAXやメールでの受注を手入力するのではなく、EC受注用Webサイトを開設して、顧客企業に注文入力してもらう形にしたいとも考えています。
さらなる業務効率アップとコスト削減を実現するために、新しいアプローチでのシステム化に知恵を絞るミスズユニム。JSTの提案力、実行力への期待も高まっています。

ミスズユニム株式会社 様

代表者:代表取締役 今井 貴宏 / 業種:アパレル業
事業内容:企業向け特注ユニフォームの販売、メーカー既製品(カタログ定番品)販売、ユニフォームの流通管理・在庫管理、刺繍・補修等の付帯加工業務、太陽光発電事業
URL:https://misuzu-unim.co.jp/

ミスズユニム株式会社 様 ロゴ

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