GS1自社ラベル発行から緻密なロット管理まで一貫したシステム構築に成功。
医療業界専用PKGだから薬事法改正の対応もスムーズ!

代表取締役の薄井邦昭氏

導入の背景

法改正へのタイムリーな対応には「業種別パッケージ」が最適

東京・大井町に本拠を置くペントロン ジャパン株式会社は、歯科用材料(審美修復材料、歯科技工用材料、歯科医療機器)の輸入・製造販売会社です。米国のPENTRON社が生み出す高品質な歯科材料をはじめ、世界各国から、国内の歯科医院・歯科技工所・大学などの教育機関のニーズにあった製品を厳選して輸入・販売をし、歯科材料・機器の卸業社として急成長を遂げています。
「『患者さんのことを第一に考え、より良い製品を、よりリーズナブルな価格で提供する』をポリシーに掲げ、常に優れた治療結果を導く材料・機械の導入と価格設定を実践してきました。また、取扱製品に対して、理論を伴うエビデンス(検証)を徹底して行っていることは、歯科医の先生方によるさまざまなスタディグループ・研究会からも高く評価されています」と、代表取締役の薄井邦昭氏は語ります。
同社が販売管理システムを刷新することになったのは、改正された薬事法に対応するためでした。2005年に施行された改正薬事法では、医療機器を人体に与えるリスクに応じて4つのクラスに分類し、クラス2~4の医療機器については、市販後のトレーサビリティ確立が義務づけられ、バーコード体系もGS1-128に統一されました。

展示中のお取り扱い製品群

展示中のお取り扱い製品群

「これからは、どの商品(製品名、ロット番号、有効期限)を、どこの代理店・歯科医院・病院・歯科技工所へ、いくつ納入したかを正確に管理しなければなりません。つまり精密なロット管理が急務となったのです」と、プロダクト管理本部 部長の本橋孝志氏は語ります。
当時使っていた販売管理システムは業種汎用的なパッケージであったため、当然ロット管理やGS1-128にも対応しておらず、トレーサビリティに関してもまったく考えられていないものでした。
「当社は約2,900アイテムの製品を扱いながら、『受注当日に出荷』を原則としているため、表計算ソフトでロット管理をするのは不可能でした。かといって、ロット管理の機能を個別に開発している時間の余裕もありません。短期間で法改正に対応するには、業種に特化した販売管理システムへ切り替えるのが得策であると判断しました」と本橋氏は語ります。

プロダクト管理本部 部長の本橋孝志氏

プロダクト管理本部 部長 本橋孝志 氏

導入のポイント

完成度の高い業種別パッケージ

本橋氏らは、インターネット検索を駆使して、業種対応の販売管理システムを8種類ほどピックアップしました。
「インターネット検索の段階から、楽商」はきめ細かい業種対応をしていることが印象的でした。また、医療機器卸業向けの楽商」メディカルは、検討した2004年の時点で80社の導入実績がありました(2023年実績200社)。これなら、当社の業務もカバーできるだろうと期待できたのです」と本橋氏は言います。
しかも導入に要する費用は「楽商」が最も安く、他の製品は「楽商」の2倍、3倍するものもありました。また当時、「楽商」と同等のコストパフォーマンスを強調するものの、カスタマイズや導入支援などの追加料金を合算すると、総額が大幅に高くなるという価格体系の製品もあったと本橋氏は記憶しています。
「あるパッケージでは、対応しているハンディターミナルの機能が当社の要求に合っていませんでした。2004年当時の話ですが、バーコードの情報をディスプレイに表示したり、誤ったバーコードをスキャンした際のアラート機能を有した機種にグレードアップをすると、システムのカスタマイズにプラス500万円かかると言われたときは、正直驚きを隠せませんでした」(本橋氏)。

「楽商」が導入費用を大幅に削減できた理由として、システムのカスタマイズを最小限に抑えられたことが挙げられます。ペントロン ジャパンが必要とする機能は、トレーサビリティの確立と、グレードの高いハンディターミナルによる出荷精度と速度の向上でしたが、これらはすでに標準機能で網羅されていました。カスタマイズしたのは、出荷数量に応じて単価を自動変更する機能(出荷数別単価設定)の追加と帳票デザインの変更のみ。使用する側の業種独特なニーズに配慮した、より専門的な業種別パッケージとしての完成度が高かったのです。
「JSTという会社の独特なアプローチも気に入りました。こちらの要求を伝えると、とかくカスタマイズを勧めてくる会社が多いなか、『すべてをカスタマイズをしないで、運用でカバーできるところは工夫しましょう』と提案をしてくれたのはJSTだけでした。業務に合わせてパッケージを細かくカスタマイズし、ボタン操作1つでデータ集計や分析資料の作成ができるよりも、当社の運用方法自体をある程度カスタマイズすることで導入コストを抑え、結果として、入出荷業務全体をスムーズに行おうという姿勢が一貫していました」と本橋氏は指摘します。

構成図

ほぼ標準のままシステムを短期導入し、法対応をいち早く実現

2005年6月、ペントロン ジャパンは、楽商メディカルを導入しました。
導入2ヶ月後には旧システムと並行稼働を始め、さらに2ヶ月後の2005年10月、完全切り替えをして本稼働へと進みました。カスタマイズが最小であっただけに、驚くほどの短期間で本稼働ができたのです。
「導入作業は大変でした。日々の入出荷業務を停止することができず、在庫数量が刻々と変化するため、ある時点での在庫情報を元にGS1-128バーコードラベルを出力し、全製品に貼ってまわってもラベルの枚数が合わず、本当に正しい在庫数量であるかの確認作業に多くの時間を要しました。本稼働直前の最終棚卸の際は、明け方までJSTの営業担当の方と製品ロットごとの在庫チェックや調整を行い、大変だった反面、順調に稼働している今となっては、その時の苦労も良き思い出となっています。稼働直後は小さな調整などがあったものの、1ヶ月後にはほぼ安定的な稼働をすることができました」と本橋氏は振り返ります。
現在では、出荷と棚卸にハンディターミナルを使いながら、GS1-128バーコード運用を効率よく行っています。

自社倉庫内でのハンディターミナル利用の様子

自社倉庫内でのハンディターミナル利用の様子

導入の効果

少ない手数でパーフェクトなトレーサビリティ

販売管理システムの刷新により、ペントロン ジャパンは、医療機器の輸入卸売業者として不可欠なGS1-128バーコードのラベル発行から、緻密なロット管理までを一貫して行う体制を確立しました。
「2004年当時は、改正薬事法に関する情報や、業界各社の対応進捗に関する情報などを多く耳にし、当社の出足が遅れているのではないかと非常にあせっていました。ところが、2005年のうちにシステム完全移行ができてみると、『いち早く対応した企業』として業界でも注目される立場となりました」と本橋氏は言います。
在庫管理の精度が向上したことも、大きな成果です。
以前とは比較にならないほどの正確な在庫管理ができるようになりました。棚卸時の数量および金額差異がなくなり、同時にストレスもなくなりました。正確な在庫管理は、『予期せぬ欠品』を発生させることのない正確な納期管理につながりますし、経営の安全管理の精度向上にもつながります」と本橋氏は語ります。
最小限の手数で高精度な販売管理・在庫管理ができるということは、取り扱い製品のアイテム数を安心して増やせるということでもあります。「患者さんのためにより良い製品」を開拓していこうという、同社の企業姿勢にもマッチしたシステムであると言えるでしょう。

導入から8年以上経ちましたが、「楽商」メディカルはこれからもずっと使っていけるシステムです。「楽商」は、「バージョンアップしないと使えなくなる」「ベンダー都合でサポート打ち切り」などの心配がまったくないシステムなのです。
長くつきあえるシステムに加えて、長くつきあえるサポートもJSTの特長。インターネットで調べて、初めて問い合わせたときに対応してくれた営業担当者とSEが、8年以上を経た今日でもしっかりサポートしてくれています」と本橋氏。
ペントロン ジャパンでは、楽商サーバはもちろん、クライアントPCもJSTが包括的に保守契約しています。現在ではメンテナンスはリモート対応が中心であり、「パソコンの様子がおかしいときも、連絡さえすれば1時間程度でネットワーク越しに修復を済ませてくれます。これも心強い」と本橋氏は言います。
楽商」メディカルはとにかく使いやすい。当社の受注・出荷の流れと、システムの動きがぴったりマッチしていますと薄井氏は総合的に評価しています。今後の法改正や業界で必要となる機能追加にも、業種対応パッケージとしてタイミングよく対応しながら、「楽商」メディカルはペントロン ジャパンのさらなる飛躍をがっちりと支えていきます。

オフィスでの楽商操作の様子

オフィスでの楽商操作の様子

ペントロン ジャパン株式会社

代表者:代表取締役 薄井邦昭 / 業種:医療用機械器具卸売業
事業内容:歯科用材料(審美修復材料、歯科技工用材料他)の輸入・販売
URL:http://www.j-pentron.com/

ペントロン ジャパン株式会社 様ロゴ

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