CASE STUDY株式会社ルミナス 様

東京都江東区亀戸に本社を置く、株式会社ルミナス（以下、ルミナス）は、自動車ヘッドライト部品等を研究・開発・製造しています。同社の企業活動は、出発時点からグローバルでした。
1995年、創業者であり代表取締役社長である江口洋氏が米国イリノイ州で事務所を立ち上げ、米国法人TAIKI U.S.A.を設立したうえで、日本での活動拠点として日本法人TAIKIUSA Japanを設立したのが2002年のことです。5年後の2007年には、日本法人のTAIKIUSA Japanを、株式会社ルミナスに改組しました。
現在では、日本、北米、韓国、オーストリア、メキシコに現地法人を展開し、研究開発を日本本社、製造を韓国工場が主に担当しながら、5極体制でのグローバル経営を強力に推進しています。日本本社の社員数は12名ですが、グループ全体では180名体制にのぼります。同社の自動車用照明器具（灯体）の部材は、同じく世界中で生産・販売を行っている日本のほぼすべての自動車メーカー、そして欧米の主要自動車メーカーに採用されています。

「販売管理システムを刷新すると決めたら、もう迷わずに『楽商』を選びました」と江口氏は言い切ります。江口氏が以前に勤めていた同業種の会社が使っていたのが「楽商」であり、充実した在庫管理、税率変化へのスムーズな対応など、求める機能をすべて満たしていることがよくわかっていたからです。
「『楽商』は、社員全員が苦労なく使うことができました。操作教育していない人でも、目的のページへすぐに飛べるなど、使いやすいのです。社内に専任担当者を用意する必要がないのも、『楽商』の特長です。システムの面倒をみるのはJSTに任せて、われわれは使うことに徹することができます。
もうひとつ、複数拠点をネットワークで結んで使うとき、クライアント台数分のライセンスが必要になるのは他のパッケージ製品と同様ですが、ライセンス料金の総額が他製品よりもはるかに安い」と江口氏は、使ったことがあるからこそわかる「楽商」の特長を次々に挙げます。
「見積から受注、発注まで、在庫管理と連動しながら一貫した処理ができるのもわかっていました。要求と合わなかったのは帳票だけです。そこで発想を根本から変えました。わたしのイメージに合わせるためにシステムを変えるのではなく、システムに当社が合わせて、とにかく１日でも早く導入しようと考えました」と江口氏は言います。

「楽商」はカスタマイズしやすいパッケージであり、帳票だけカスタマイズしてから導入することは可能です。しかしルミナスでは、帳票カスタマイズにかけるわずかな時間も待てない気持ちでした。
「カスタマイズをして導入すれば、使い勝手が向上して、経営効果と業務効率向上効果の両方が享受できると思います。けれども当社の場合は、カスタマイズ無しにして、１日でも早く使い始めたい、経営効果を出すほうが先決でした」と、管理グループマネージャーの正木ちえ氏。企業規模に合った販売管理の業務処理がきちんと定着してから、使い勝手を高めるカスタマイズは、後から少しずつ加えていけばいいと判断したのです。

また、販売推移を見て将来動向を予測するなどの経営分析は、数年間にわたってシステムを使い、精度の高いデータが蓄積してこそ可能になります。高度な経営分析をいち早く行うためにも、システムを使い始めるのは１日でも早いほうが有利だと考えました。
「当社は、業種は製造業に分類されますが、日本本社では灯体部品、新規材料／製法、金型技術等の研究開発と提案が主業務。加えて、世界中への出荷を管理する司令塔として、各種の自動車部品／部材を国内外調達して、北米および欧州向けにコンテナ積載して輸出する役割も担っています。こうした特殊な業務内容をすべて、『ノンカスタマイズ』でカバーできたのも、『楽商』の特長なのではないでしょうか」と正木氏は指摘します。

導入にあたっては、生産性向上設備投資促進税制を利用しました。これは、質の高い設備の投資について、即時償却または最大5％の税額控除のどちらかを適用できる税制措置です。
「楽商」は、この税制の対象となる「先端設備」であると、一般社団法人情報サービス産業協会（JISA）から認定されています。
「こういう税制は、中堅中小企業にとってとてもありがたい制度です。JSTは先端設備認定をいち早く取得して、われわれ中堅中小企業を支援してくれました」と江口氏は評価しています。

「わたしは20年来、販売管理をやってきましたが、思ったとおりのことがきちんとできたのが『楽商』でした。カスタマイズしていないのに、複雑な業務をよく処理できています」と江口氏は言います。
売上規模に合った高度な販売在庫管理を約1年間使い、経営効果も定着してきたことから、江口氏は次の一手として、使い勝手を高めるカスタマイズを少しずつ加えていきたいと考えています。
また、機能の追加拡張も視野に入っています。静岡と佐賀にある倉庫をネットワークに加えること、北米からの発注データをEDIデータ連携でシステムへ直接取り込むこと、リアルタイムな工程管理の開発など、やりたいことはたくさんあるのです。
「情報活用ももっと工夫したい。『楽商』は、企業がステップアップするのを支援する機能がそろっていますから、使い方次第でもっと可能性が広がります。『楽商』の使いこなしは、実はこれからが本番なのです」と江口氏は熱を込めて語りました。