手書き伝票を脱却して、販売・仕入・在庫のシステム化に着手。
無線ハンディターミナルは小売店頭での売上処理にも使える!

株式会社 高橋総本店 様

導入の背景

「すべての伝票が手書き」を脱却してシステム化したい

東京・台東区の「浅草かっぱ橋道具街」は、飲食店で使う業務用の食器・調理器具・食品サンプルなどの問屋・専門店が170店以上も立ち並ぶ、日本一の道具街です。
この合羽橋で1946年に創業し、和食器・洋食器・調理器具・厨房設備機器の4つの専門店と、家具インテリアのショールームを経営しているのが、株式会社高橋総本店です。
「われわれ『TAKASO』は、各分野の専門店がグループとして力を合わせて対応するため、お客様が必要とする食器や機器をワンストップでそろえられるのが特長です」と、取締役営業部長の高橋亮氏は語ります。
同社が年来の課題と感じてきたのは、顧客対応のレベルアップでした。
利用者の9割は飲食業者です。彼らはいそがしい時間の合間をぬって、「ウチで使っている緑色の大皿を20枚送ってくれ。大至急」などと注文してくるわけです。
「お客様は、商品名、単価などは記憶していません。現行では、紙の伝票・台帳をもとに対応していますが、スピード・正確性・顧客サービスの面で十分とはいえません。ときには、お客様の仰る商品が分からず、携帯で撮影した画像をお客様から送ってもらうこともあります」と高橋氏。

取締役営業部長高橋亮氏

取締役営業部長 高橋亮 氏

「ウチの皿」で通じるようにすることは、顧客サービス向上と、店側の顧客対応負荷を軽減するためのキーポイントであり、そのためには、購買履歴の管理を徹底する必要がありました。
また、他社差別化も重要な経営課題です。
「同業者がずらりと並んでいる道具街でTAKASOを選んでいただくには、『ここでなければ手に入らないもの』を明確に用意して、個性を出さなければなりません」と高橋氏。商品の小ロット多品種化が年々進むなかで、品ぞろえに個性を出しつつ、適正在庫も追求していくには、緻密な販売管理が不可欠です。
しかしこれまでは、納品書・請求書・領収書など、すべての伝票は手書きであり、一定金額以上の伝票だけを表計算ソフトに入力して購買履歴管理をしていました。商品動向を分析するための「元データ」がなかったのです。
「すべての伝票が手書き」の状態を脱却して、システム化を進め、緻密な販売管理と購買履歴管理をしたい。さらに、仕入管理、在庫管理も整備したいと、同社では考えていました。

取扱い業務用の食器

取扱い業務用の食器

導入のポイント

「同じ商品の仕入先が複数、単価も複数」に 対応できたのは楽商だけ

2008年、ベンダー数社に見積・提案を求めましたが、各社と話をするなかで商品台帳が整備されていないとシステム化がむずかしいことを痛感しました。そこで、棚卸のたびに商品台帳の大幅な整理を重ねて、ついに2012年、今度こそ販売管理システムを導入しようと、検討に本腰を入れました。
楽商を選んだ最大の理由は、「『複数の仕入先』に対応できたのは楽商だけだった」(高橋氏)からです。
食器や調理器具は、メーカーから一次問屋、二次問屋と、さまざまな流通経路を経て、高橋総本店に届きます。同一商品であっても、仕入先、つまり流通経路によって価格が異なり、商品名が変わる場合もあります。販売管理パッケージで、「一物多価」どころか、「一物多仕入先」「一物多商品名」にまで対応できるものはありません。ところが楽商であれば、カスタマイズできる範囲が非常に広いため、対応することが可能でした。

もうひとつ、「売上処理への無線ハンディターミナル利用」を提案したのも、楽商のJSTだけでした。
「当社の店頭販売では接客時間が長く、購入決定に至るまでお客様も時間をかけて吟味されます。担当者もお客様と共に店内を移動したり、在庫を確認したり、レジから離れた場所で伝票を書くこともあります。持ち歩ける無線ハンディターミナルなら、この営業スタイルに適合させることができます」と高橋氏。
他ベンダーの提案は、POSレジを導入するものばかりでした。POSレジは、一般消費者対象の小売業向け端末であり、在庫引当を連動させたり、納品書印刷を指令することはできません。もちろん、店内を持ち歩くこともできません。
「JSTが、レジ会計とハンディターミナルを使った売上データ入力を分離する提案をしてくれたのも画期的でした。分ければ、自由度が高い。最終的には連動させるにしても、まずは、会計レジで渋滞を発生させることなく、提案営業もきちんと行う体制を作れます。当社の業務を理解したうえで、システム目線ではなく、現実に即した柔軟な提案をしてくれました」と高橋氏は評価しています。

洋食器店店内2階の様子

洋食器店 店内2階の様子

「店頭での小売・営業活動」にも役立つハンディターミナル

販売管理システムは、第1弾の洋食器店が2013年5月、第2弾の菓子道具店が2013年7月に稼働を開始しました。
2013年中に残りの2店にも導入して、全社体制を敷く計画です。無線ハンディターミナルは、洋食器店で4台、菓子道具店で2台使っています。
「現在、ハンディターミナルを使うのは店頭現金払いのケースだけですが、順次、売掛顧客への対応も進めています」と高橋氏は説明します。
洋食器店の場合、商品を仕入れて陳列する際に、商品名・単価を文字とバーコードで印刷したラベルを見本品に貼っておきます。実際の販売では、商品を選んだ時点で、貼ってあるバーコードを読み取り、数量を入力します。
ハンディターミナル上で販売を確定すると、その情報は本社に置いた楽商サーバへ無線LAN/WAN経由で送られます。店舗側では、購入客へ手渡す納品書がプリンタから自動的に印刷されます。
1日の最後には、バーコード読み取りだけでは不足していた顧客情報などを追加でキーボード入力して、販売データの入力を完成させます。手書き伝票をゼロから手入力するのに比べると、作業負荷が格段に少なく、入力ミスも発生しません。
ハンディターミナルを、『倉庫で使うもの』というイメージで終わらせては非常にもったいない。『店頭での小売・営業活動を支援する道具』としても十分に活躍してくれます。しかも、POSレジに比べると数分の1の投資で済み、設置スペースを確保する必要もないので、営業担当者の人数分だけ台数をそろえられました」と高橋氏は語ります。

洋食器店内でのハンディターミナル利用の様子

洋食器店内でのハンディターミナル利用の様子

高橋総本店システム構成図

導入の効果

「顧客サービス向上」と「他社差別化」に確かな手応え

ハンディターミナルで売上処理をするようになってから、各店舗では、日付や商品名などのさまざまなキーワードで購買履歴を検索することができるようになりました。顧客対応の負荷軽減と、顧客サービス向上を実現する体制が整ったのです。
本社では、各店舗それぞれの売上をその日のうちに確認でき、各種管理帳票も出力できます。担当者別の売上も、「マウスのクリック操作を3回するだけ」(高橋氏)で確認できるようになりました。
無線ハンディターミナルは、棚卸でも威力を発揮しています。
従来の棚卸は、棚番ごとに在庫状況を手書きでメモして事務所へ持ち帰り、Excel集計していました。数千アイテムが収められている倉庫内で商品の位置が変わると、棚番の追跡だけで大変な手間でした。また、6週間の準備作業と、3日間の計算処理が必要でした。
今は、倉庫の商品に貼ったバーコード付きのラベルを、ピッピッと読みとっていくだけ。商品が置いてある場所が変わっても、わざわざ棚番を追跡する必要はありません。
「今回は初めてなので2~3週間かかりましたが、次回はもっと早くできるでしょう。集計は10分で終わります。軌道に乗ったら、棚卸を年2回に増やしたい。そうすれば、これまでとは違う角度からの在庫管理ができるはず」と高橋氏は言います。

販売管理・在庫管理システムは現在もカスタマイズ中で、進化途上にあります。2013年中に全4店に導入して店頭現金支払のシステム化を実現したら、2014年中には、後日請求の掛売もシステムに取り込み、販売管理を確立します。その後、1~2年で仕入管理、さらに在庫管理へと進みます。4~5年後には、店頭でハンディターミナルを使った時に、全店舗の在庫まで手元で確認できるようにする計画です。
「楽商のおかげで、お客様の『ウチの皿をくれ』に対応する目途が立ちました。また、これからは販売動向や購買履歴の分析を積極的に行い、上手に個性を出していきたい」と高橋氏は意欲的に語ります。
専門店グループとしてのワンストップ対応を強みとしてきた「TAKASO」は、全店横断的な顧客動向の把握や有利な仕入の追求を強化して、今後さらなるグループシナジーの発揮を目指しています。

店舗での楽商操作の様子

店舗での楽商操作の様子

株式会社 高橋総本店 様

代表者:代表取締役社長 高橋 敏弘 / 業種:その他の機械器具卸売業および小売業
事業内容:製菓機、冷蔵庫、飲食用道具、食器、厨房、家具の卸売および小売業
URL:http://www.takaso.jp/

株式会社 高橋総本店 様

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