高精度な在庫管理に向けて、まずは売上管理を実現。
入庫検品、ロット管理、賞味期限管理、出庫検品など、今後も続く改革と機能強化。

株式会社本橋浦之助商店 様

導入の背景

事業を拡大していくために高精度な在庫管理を実現したい

株式会社本橋浦之助商店(以下、本橋浦之助商店)は、茨城県土浦市に本拠を置く業務用食品の卸会社です。
顧客は、ゴルフ場、ホテル、レストラン、飲食店、病院、学校給食など約800社。茨城県内を中心に、千葉県・栃木県・埼玉県の一部も商圏です。営業品目は1万8000アイテム以上。仕入先は100~200社であり、食材、資材、加工食品を中心に、冷凍食品、冷蔵食品も卸しています。
同社は1933年に創業して80年以上の歴史を重ねてきましたが、2013年、日本の
3大産業ガスメーカーのひとつであるエア・ウォーターグループの傘下となり、同
グループの一員である大宝産業株式会社を親会社とする体制に変わりました。

2015年4月、新生した本橋浦之助商店の代表取締役社長に就任したのが、宮本鉄次郎氏です。
「これからは海外へも積極的に進出していきます。しかし事業を拡大し、業績を伸ばすには、経営基盤を強化しなければなりません。最大の課題は在庫管理です。アイテム数が膨大であるため、これまでは数量を管理しきれていませんでしたが、これからは、棚卸で判明する実在庫と、在庫管理システムの数値とを正確に合致させたい」と宮本氏は意欲的に語ります。

代表取締役社長 宮本鉄次郎 氏

代表取締役社長 宮本鉄次郎 氏

導入のポイント

食品卸業に適合した専用システム「楽商フーズ」

これまでの販売管理に用いていたのは、20年間使ってきたオフコンシステムでした。
「開発を担当してくれたベンダーSEの方が、追加開発や保守も1人で対応してくださったため、その人に連絡がつかないと誰もシステムのことがわからない状態に陥っていました」と語ってくれたのは、業務部主任の尾見弘子氏です。他の2人の社員と共に、売上入力を担当してきました。
旧システムは、機能面では、「売上を入力して請求書を発行する」のが主目的のシステムであったため、売上管理の機能がない、在庫管理の機能がない、データ抽出・分析ができないという問題も抱えていました。
「データはシステムの中にあるはずなのですが、必要なものをタイムリーに取り出すことができません。月締め作業が完了していないうちに、『うちへの今月の請求はいくら?』とお客様の問い合わせがあると、手計算してお返事するのに大変な手間がかかっていました」と尾見氏は当時を振り返ります。

食品業界向け販売管理・在庫管理システム「楽商フーズ」は、本橋浦之助商店の社員と、開発を担当したベンダーSEとが一緒に、複数の展示会を回って選定しました。
食品卸業によく適合したシステムだったので、追加カスタマイズが少なくて済み、希望の機能を実現するときの総額が安かったのが選定理由だと聞いています。
また、受注入力画面はとても大事なので念を押しましたが、旧システムと同じようにするためきちんとカスタマイズできるということで、わたしたち現場も納得したのです」と尾見氏。本橋浦之助商店の商品は、同じ品でも仕入先ごと・顧客ごとに単価が異なるうえに、入力項目が多岐にわたるため、受注入力画面には隅々まで細かい工夫が施されているのです。
さらに宮本氏は、「わたしは楽商フーズが選定された後でこの会社へ来たわけですが、他ベンダーがよくアプローチしてきますから、一応話を聞くようにしています。
しかし、『当社のパッケージは食品卸専用なのでこういうことができます』『他社にないこんな特長があります』と強調する機能が、ほぼすべて楽商フーズでできることばかりなので、選定は間違っていなかったなと思っています」と付け加えました。

「仮伝/バーコード承認/本伝」の手順で受注管理を実現

2013年10月、楽商フーズ導入に踏み切りましたが、利用が落ち着くまでには1年以上掛かりました。最大の難関は、旧システムからのデータ移行と、商品コード体系の再構築でした。
「旧システムはコード番号が8桁しかなかったので、年を重ねるにつれて分類が対応しきれなくなり、同じ商品に複数のコード番号が振られるなど、コード番号が意味をなさなくなっていました。そこでわたしが1カ月かけて、商品体系を根本から作り直し、1万数千アイテムすべてのコード番号をつけ直したのです」と尾見氏。
苦労の甲斐あって、現在では、コード番号を見ただけで、ドライ/冷凍/冷蔵の区別などがすぐわかり、商品を検索しやすくなりました。
「カテゴリーごとの実績を簡単に集計できるようにもなりました。以前は、『油、食用油、オイル・・』などと考えながらキーワードを工夫してデータを抽出してから、集計・分析をしていたのですから、大きな進歩です」と宮本氏は指摘します。

カスタマイズもいくつか行いました。
第1は、前述したとおり、受注入力画面を旧システムに合わせました
第2に、納品書印刷時にバーコードを併記する機能も、旧システムに合わせて開発しました。これは、同社の業務の流れを支える重要な機能なのです。飲食店などの顧客からは、夜間のFAXや留守電録音で注文がきます。朝、これを入力して、きれいなピッキングリストを作成している余裕はありません。FAXや電話メモを2部コピーして、受注入力/納品書印刷と、倉庫でのピッキング作業とを同時にスタートします。
ピッキングは17人の営業担当者の役目です。本橋浦之助商店は自社配送が基本であり、配送がそのまま次の営業活動へつながっていきます。大事なポイントは、営業担当者がピッキングとトラック積み込みを完了したときに、ちょうど間に合って渡されるバーコード入りの納品書は、「仮伝」であるということです。納品先で仮伝に承認印をもらって持ち帰り、バーコードリーダで読み取ると、その時点で「本伝」扱いとなり、売上が立つしくみです。したがって納品書へのバーコード印字は、売上管理の実現とすばやいピッキングを両立するうえで不可欠な機能でした。
第3に、商品単価の改定をスケジュール運用できるようにしました
商品単価は顧客ごとに異なりますから、基準単価さえ修正すれば、全顧客の単価が自動的に変わるようにする設定は必須です。さらに、価格改定日を事前に指定しておき、その日になったら全顧客に対して自動的に新価格が適用されるようにしました。しかも、「今月中はどうしても前の価格で」という得意先には、以前の価格で売ることもできるように、柔軟なスケジュール運用をカスタマイズ開発したのです。
また、これはカスタマイズではありませんが、得意先指定の専用伝票を、社内で開発できるようになりました。
「以前は、専用伝票はSEへ依頼して作ってもらうものでした。冒頭にお話ししたとおり、1人のベンダーSEに頼りきりでしたから、専用伝票を設計してもらうまで1カ月待つこともしばしばで、待つ間は手書き伝票で我慢するなど、非常に不便でした」と尾見氏。
現在の楽商フーズには「帳票レイアウター機能」があり、見本伝票のスキャン取り込みや参照コピー機能を使いながら、SEではなくて本橋浦之助商店の社員が、専用伝票を短時間で作成できます

「JSTは営業のサポートも良いですね。わからないことを問い合わせてもすぐに返事が来ますし、メニューに表示される言葉を変えるなどの細かい修正は、リモートですぐ対応してくれます」と尾見氏はにこやかに語りました。

構成図

導入の効果

売上管理を実現して顧客サービス向上、 自由集計を実現して情報リテラシーも向上

新システムの運用が安定した現在では、導入効果も明確になってきました。
「仮伝/本伝の承認プロセスなど従来からの仕事の流れをそのままシステムに取り込みながら、受注管理ができるようになったのは大きな成果です。精度の高い在庫管理を実現するための大事な第一歩を踏み出すことができました」と宮本氏。

業務も大幅にスピードアップしました。
「たとえば、月締めの請求書印刷に、旧システムでは高価なラインプリンタを使って3~4時間かかっていましたが、今では、普通のA4プリンタを使って、待ち時間はまったくなし。以前は、請求書印刷の日は残業と決まっていましたが、今では残業する必要がありません」と尾見氏は喜んでいます。
受注入力の作業効率が向上したことも、残業を減らす効果につながっています。
「以前は、商品名をコード番号で指定するか、登録したとおりの言葉を入力しなければなりませんでしたから、『ショウユだったか、ショーユだったか』と試し打ちをする手間がかかってました。
その点、楽商フーズは、部分一致検索ができるのではるかに入力しやすい。また、『直近に売ったもの』を表示させる機能がありますから、簡単な操作で前回履歴を参照しながら、お客様が指定する『いつもの商品』へ正確に対応することができます」と尾見氏は説明します。
顧客の問い合わせに、すばやく答えられるようになったのも大きな成果です。
「『今日の配達品の中に、この商品は含まれていますか』という電話をよくいただくのですが、画面を見ればその日の納品伝票をすぐに表示できますから、その場でお返事ができます。旧システムでは、仮伝状態のデータは検索も参照もできませんでしたから、配送作業中の営業マンへ電話をかけて確かめなければなりませんでした」と尾見氏。
「うちへの今月の請求はいくら?」という問い合わせにもすぐに回答できるようになり、顧客サービスも確実に向上しています。

そして、データの取り出し・集計・分析も、臨機応変に行えるようになりまし
「現在は、データを表計算ソフトへコピーして、いろいろ分析しながら、顧客ごと、営業担当者ごとの動きを把握しようとしています。数年分のデータが蓄積してくれば、分析結果をデータベース化して、より高度なデータ活用ができるでしょう」と宮本氏は策を練っています。
すでに、「売上速報」配布はスタートしました。
「『前日までの売上と粗利を社内で毎日共有する』ということに、みんなが慣れてきました。どんなデータがあればどんな集計ができるのかも予想できるようになり、それを自分でどう生かそうか、各自が考え始めています。社内の情報リテラシーが大きく動き始めました」と宮本氏は語ります。

楽商フーズの経理システム連携機能も活用する予定で
「従来、経理処理は社外の税理士に一任していましたが、月次決算までは社内でできるようにする計画で準備を進めているところです。販売管理のデータを経理システムに取り込めて重複入力の必要がないことは、経理処理を社内で行ううえでのハードルを低くする効果があるでしょう」と宮本氏は言います。

楽商を利用している様子

楽商を利用している様子

使いながら業務改革と機能強化を 重ねていける販売管理システム

最終目標である「精度の高い在庫管理」を実現するためには、今後もいくつかの段階を踏んでいく必要があります。まずは、入庫検品の精度を上げる予定であり、バーコードと無線ハンディターミナルの導入も検討しています。棚のロケーション管理はすでにかなり進みましたが、入庫管理を強化することで、ピッキングする人はさらに動きやすくなるはずです。

もう1つの課題は、ロット管理と、ロット単位での賞味期限管理です。これは相当に手間のかかる改革であるため、当面は高額商品だけでもロット管理をしたいと考えています。楽商フーズは、商品ごとに4種類の荷姿を持たせられ、単価も荷姿単位で設定できるなど、多彩な荷姿設定の機能がありますから、「一部商品だけのロット管理/賞味期限管理」にも対応が可能でしょう。
さらに出庫も、無線ハンディターミナルなどを使いながら検品することで、「入庫―在庫―出庫」が完全に連動する体制を作っていく計画です。
「これまでは、実在庫とシステム在庫が『違う』のはあたりまえでした。現在では、受注時点から正確な管理をするようになったことで在庫以外の数値が明確になり、実在庫とシステム在庫が『違うことが見える』ところまで進んで来ました。在庫数量も以前に比べれば、『実態に近い数値』になってきています。これから楽商フーズを使い込みながら、『違う』を改め、なくしていきます」と宮本氏は力強く語ります。
正確な在庫数量把握とロット単位の賞味期限管理の実現に向けて、本橋浦之助商店は今後も業務改革とシステムの機能強化を続けていきます。

笑顔で対応して頂いた宮本氏

笑顔で対応して頂いた宮本氏

株式会社本橋浦之助商店 様

代表者:代表取締役社長 宮本鉄次郎 / 業種:食品卸売業
事業内容:業務用総合食品の卸商社
URL:http://www.motohashi.jp/

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