本社・事業所間のWAN構築で、商品マスタの一本化に成功。
信頼性の高い決算が短時間でできるようになり、日常の販売管理業務も簡素化。

代表取締役社長 川杉 敦子氏 経営企画部 営業推進課 課長市川氏

導入の背景

本社と事業所でマスタが2種類存在して、 正確な締め作業に苦労

東京・荻窪に本社を置くメイショウは、“はんだ”をはじめ、電子産業に不可欠な電子材料の販売店として、1964年に創業しました。90年代には、東京・青梅に工場を構えて、「リワーク装置」の製造を開始。さらには、プリント基板に電子部品を配置するチップマウンタなど、国内外の電子部品実装関連機器を扱う商社としても、業績を伸ばしています。
リワーク装置とは、電子部品の開発・試作・量産などの段階でみつかる不良品を廃棄せず、部品交換や修理によって使えるようにしたり、修理依頼品の部品を交換するリペア装置のことです。多くの電気製品メーカーが導入しており、リワーク専業会社もあります。
「自社工場を持っているリワーク装置メーカーは、国内ではメイショウだけ。特注、オプション、カスタマイズ、治具製作などの要求にも迅速に対応できます」と代表取締役社長の川杉 敦子氏は胸を張ります。
近日発売予定の新製品は、ユニット方式で機能を後付けできるのが特長です。海外の電子部品工場は、複数の日本企業から製造を受託することが多く、作る電子部品のタイプが変わるたびに別のリワーク装置が必要になっていました。ユニット方式であれば、1台のリワーク装置で何社もの仕事を受けられます。メイショウはリワーク装置のトップメーカーとして、技術革新の先導役も担っています。

代表取締役社長 川杉敦子 氏

代表取締役社長 川杉 敦子氏

一方で、創業50年の歴史を重ね、メーカーと商社の事業が混在しているだけに「販売管理」には苦労してきました。
1997年頃にシステムを一度導入しましたが、昔の業務フローをそのままシステム化しようとしたため、うまく動きませんでした。2002年に業務改革を行い仕事の流れを整理したうえで、翌2003年、Microsoft Accessを使った新システムを川杉氏が自身で開発しました。
今度は業務の流れを完全にキャッチできましたが、長年に渡って使っていくうちに、OSとAccessのバージョンが合わなくなってきました。OSの進化に伴い、メンテナンスを必要とすることが多く、また画面の切り換わる速度を速めることが困難で、手が掛かっていました。
もうひとつ、本社と青梅事業所の2ヶ所でシステムを動かしていたため、利用を重ねるうちに、商品マスターが2種類存在するようになったのも問題でした同じ顧客に対する売掛が本社と青梅事業所の両方に分かれて作られていきます。
「月締め作業には慎重さを求められ、決算期は苦労をしていました」と、経営企画部 営業推進課 課長の市川氏は苦笑いします。
次期システムは、青梅事業所からもネットワーク経由で使えるパッケージシステムにしよう。パッケージなら、OSが変わっても税制が変わっても、ベンダー側で対応してくれる、とメイショウは考えました。

経営企画部 営業推進課 課長の市川氏

経営企画部 営業推進課 課長 市川禎 氏

導入のポイント

満足できるシステムを「カスタマイズ + 運用の工夫」で 作り上げた提案力

メイショウでは、販売管理のパッケージ製品を幅広く比較検討したうえで、機能と価格が要求レベルを満たしており、カスタマイズにも対応する2製品に絞り込みました。
「楽商」を導入したのは、「統合処理」「使いやすさ」「CRM」、そして「提案力」と「コスト」などが優れていたからです。

まず、メイショウはメーカーとしても商社としてもさまざまな商流を抱えていますが、「楽商」は操作を複雑にすることなしに発注処理を一本化して、スムーズな統合処理を実現するパッケージでした
伝票の動きがわかりやすく、使いやすいのも重要なポイントです。
「受注伝票のイメージを保持しながら、実際の作業工程に沿ってコンピュータ画面が変化していくので、『受注~発注~仕入~請求~入金』の5つの流れの中で、自分がどのステイタスの仕事をしているのかを意識しながら業務処理できます」と川杉氏。

また、材料販売店として、メーカーとして、商社として、約1,000社の「顧客という資産」を持っているメイショウは、CRMをやりたいという要望も非常に強いものがありました。「楽商」は、オプションや将来の発展形ではなく、標準機能の真ん中にCRMが据えてあり、中小企業でもCRMが必須の機能であるというメイショウの思いにぴったり合致していました。

こうした製品の機能に加えて、JSTの提案力も光りました。
「JSTのSEと話していると、経験知が豊かだと感じました。困っていたことをちらりと話しただけで、ピンとわかってくれます。しかも、こちらの要望を100%作り込むのではなくて、『ここをちょっとカスタマイズしたうえで、運用の工夫をプラスすればここまで対応できますが、いかがですか』と、いろいろな解決方法を提案してくれました」と川杉氏は言います。
さらに市川氏は、「こちらはやりたいことをありったけ語りましたが、きちんと予算内に収めてくれました。『カスタマイズ1件でいくら』という料金設定をしているベンダーだと、少し手を加える相談をしているうちにどんどん見積もりが高くなっていきます。ところがJSTはむしろ『ここまでで我慢しましょう』と抑えてくれました。最終的に、他社製品に比べて格段にコストパフォーマンスの優れたシステムを手に入れることができたのです」と語ります。

同一システムのWAN利用でデータ整合性の問題が一気に解消

システム刷新に先立ち、本社と青梅事業所をインターネットVPNで結んでWANを構築しました。楽商サーバは本社に置き、本社と青梅の両方のクライアントPCからまったく同様の使用感でアクセスする環境を整えたのです。
拠点間のネットワーク構築はコストが掛かることだと考えており後回しにしていましたが、予想以上に簡単かつ安く、WAN構築ができて感動しています。データ整合性の問題は一気に解決できましたし、他の業務の連絡もスムーズになりました」と川杉氏はにこやかに語ります。


「楽商」は、2013年10月1日、本稼働を開始しました。旧システムとの並行稼働は行いませんでしたから、一時的な二重入力も発生せず、きわめてスムーズなシステム全面移行でした。

旧システムの売上・仕入の実績データをすべて、新システムへ取り込むことができたのも大きな成果でした。
楽商には、EDIなどのデータを受ける「データ取込」機能が標準で用意されています。メイショウでは、AccessからデータをExcel出力し、商品番号を新/旧変換するなどの整理をしてから、楽商へ取り込むことによって、コストをかけることなくデータ継承に成功しました。

微小部品対応のリワーク装置MS7600

微小部品対応のリワーク装置MS7600

構成図

導入の効果

メーカー、商社で異なる業務をシンプル操作で統合処理

本社と青梅事業所から同一のシステムを使うようになって、商品マスターは一本化され、売掛も統合されました。決算は、導入直後である2013年10月末から、労力をかけずに、確実にできました。請求漏れ、請求書発行漏れも発生しません。
経理部門をはじめ、人の労力も大幅に軽減されました。
例えば、以前は1カ所疑問点があれば、経理担当者が営業アシスタントの人へ直接聞きに行ったりして、大変な手間をかけて締め作業をしていました。
川杉氏もデータの整合性チェックやシステム不具合への対応に、年間70時間程度を費やしていたのが不要になり、副社長としての本来業務に専念できます。市川氏も未回収金リストをミスなく作成する重責から解放されました。
情報の共有が進んだのも大きな成果です。

従来は、見たいデータがあれば、川杉氏がプログラミングして出力しなければなりませんでしたが、今では、メニューを選ぶだけで欲しい情報を楽に入手できます。
営業担当者は、自分の売上を月の途中でチェックしたり、顧客別・製品別の売上を見て効率よく動く工夫をするようになりました。ユーザインターフェースがわかりやすいので、操作教育しなくても、各自が自分の見たいデータを見つけています」と市川氏。本社と青梅事業所の分を合わせた全社データを月の途中でも見られることは、経営陣にとっても大きなプラスです。現在の粗利をその都度確認することも簡単になりました。

次の課題は、さらなる経営情報分析とCRMです。
「材料購入の動きは先に起きるので、これを早期に把握できれば、『修理する機械』の販売戦略に活かすことができるのです」と川杉氏。業界単位の売れ筋動向、特定商品の売上の季節変化、急に注文が減少した顧客の早期割り出しなど、情報活用のアイデアはさまざま。また、リワーク装置の顧客へ材料の購入を勧めたり、コンペで負けて失注した客先へ新製品を案内するなど、CRM活用による既存客深耕と新規客獲得のアイデアも、川杉氏の頭の中に渦巻いています。
楽商」に入れ替えて本当によかった。稼働開始後の微修正にもスムーズに対応してくれて、追加コストも発生していません。これから長期にわたって、安心して使い込んでいきます」と川杉氏。新しい営業戦略立案やCRM展開など、メイショウのさらなるデータ活用にも、楽商はしっかりと応えていきます。

オフィスでの楽商操作の様子

オフィスでの楽商操作の様子

メイショウ株式会社 様

代表者:代表取締役社長 川杉 敦子 / 業種:機械装置製造業、電子材料・電子部品実装関連機器の卸売・販売業
事業内容:電子部品のリワーク装置の製造・販売、
     電子材料・国内外の電子部品実装関連機器の販売
URL:http://www.e-meisho.co.jp/

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