導入の背景
販売・在庫管理の精度を上げることが競争力強化につながる
千葉県佐倉市に本拠を置く日本パック販売は、包装資材の卸売販売会社です。取り扱いは食品包装資材を中心に、食品容器、ラッピング用品、関連機器など幅広く、6000~7000アイテムにのぼります。
得意先は、スーパーマーケット、外食産業のほか、野菜パッケージ工場、農家まで含めて約200社。千葉、埼玉、神奈川、東京が商圏ですが、遠隔地にある少数の得意先も大切にしています。
「小ロットをその都度注文する得意先が多いため、細かい注文にも素早く対応する力を磨いて、得意先との信頼関係を築いてきました」と、ご担当者様は語ります。
包装資材業界は、販売管理・在庫管理がきわめて重要です。日本パック販売は自社配送便を毎日走らせていますが、注文された商品が欠品していて自社倉庫にない場合には、たとえ小ロットであろうと配送費を負担してメーカーから直送してもらわなければなりません。欠品をなくし、配送を含めたコストをできるだけ低減して単価を下げる工夫をすることが、競争力強化につながるのです。
同社では2006年まで、自社用に開発した販売管理システムを使ってきました。
「しかし、旧システムは7年前に開発したものであり、インターネット接続やデータ分析の機能を備えていません。ある取引先が、従来のEOS※1からWeb-EDI※2でのオンライン受発注に体制を切り替えたいと要望してきたとき、旧システムではWeb-EDIに対応できませんでした。ついに販売管理システムを作り替える時期が来たと判断したわけです」とご担当者様は説明します。
※1 EOS: Electronic Ordering System。電子発注システム
※2 Web-EDI: Web-Electronic Data Interchange。発注に限らず、受発注、見積、決済、出入荷などの企業間商取引の情報をネットワークを介して行うのがEDI。さらにWeb-EDIは、専用線やVANなどを使わずインターネットで行うEDIのこと。
導入のポイント
容器包装リサイクル法の対応をはじめ、 業界ニーズを標準機能でカバー
日本パック販売では、8社の販売管理システムを調べ、提案を求め、比較検討しました。
「当初は、販売管理システムというものは、どこのパッケージでもだいたい同じ機能だろうと思っていました。ところが必要な機能を細かく追求していくと、包装資材業界向けとそうではないものでは、業務への適合度が大きく異なることがわかってきたのです」とご担当者様は感慨深げに語ります。
包装資材業界向けの機能がきめ細かく網羅されており、適合度が最も高いパッケージシステムが、「楽商」 包装資材でした。
一例として、容器包装リサイクル法※3用の集計表作成機能を、「楽商」は標準機能で備えていました。以前は、数十社の得意先に向けて集計表を作るために、必要なデータを抽出したり、表作成する作業に手間がかかっていました。新システムでは、月単位・年単位で必要な企業の集計表が自動生成されます。
また、「受注と発注の同時処理」も「楽商」の標準機能でシステム化できました。
この機能を使えば、メーカー直送品の場合、注文入力を行うと同時に仕入先へ直送発注が行え、売上を計上すると仕入が同時計上されるため、入力作業は1回で済むのです。
「旧システムでは、特に遠隔地の得意先の場合に、いったん遠隔地の納品代行会社へ商品を売り、その後、代行業者から買い戻すという複雑な処理を、売上仕入同時計上処理を利用し対応していました」とご担当者様は説明します。
日本パック販売の業務にマッチしているため、「楽商」はカスタマイズが最小限で済みます。カスタマイズが少ないために導入コストは低く抑えられ、導入も早くできました。取引先のWeb-EDI開始時期に間に合わせて、使い始めることができたのです。
ネットワーク連携機能が優れているのも、「楽商」の特長です。Web-EDIはもちろん、家庭用品・食品軽包装業界VAN「ハウネット」、流通BMSへの対応も可能です。
「EDI/EOS接続は、取引先/仕入先ごとに開発しなければなりませんが、そのコストが「楽商」は非常に安かった。見積段階で、「楽商」は他社の2分の1から10分の1という驚異的な低価格でした」とご担当者様は明かします。
日本パック販売では、今後も増えて行くであろう多種多様なEOS/EDI接続を開発しなければならないわけですから、接続コスト差はきわめて大きな導入コスト差になるのです。
※3 包装容器リサイクル法: 正式名称は「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」。スーパーマーケットなどの小売業者は、使用した包装容器の種類・重量などを記録して報告する義務がある。この管理業務を支援するために、包装資材業者の多くは納入した包装資材の種類・重量を月単位・年単位で集計して、小売業者へ報告している。
導入の効果
充実のサポートで長く使い続けられるシステム
日本パック販売は、2007年8月、「楽商」を使った新システムを使い始めました。その後、2012年にハードウェアを入れ替えましたが、ソフトウェアは2007年当初のまま変更していません。
「導入6年目になりますが、安定稼働が続いていて、長く使い続けられるシステムだと感じています」とご担当者様は語ります。
長く使い続けられる理由のひとつは、サポートが充実していることです。
ソフトウェアはもちろん、ハードウェアもJSTが定期点検して、システム全体がきちんと動くようにメンテナンスします。日本パック販売では、納品書などの印刷にドットインパクトプリンタを5台使っていますが、その不具合が発生したときも、JSTが修理を行っています。
また、発注書の項目タイトルを変えるなど、わずかなカスタマイズ要求にも素早く対応するのも、「楽商」の特長です。
「担当SEと直接話せるので、こちらの伝えたいことがきちんと伝わる安心感があります。加えて、担当SEも営業担当者も、導入時から一貫して同じ人なので、システムの細部を改めて説明する必要がないし、息の長いお付き合いができます」
業務処理も、利益率などの集計・分析作業もシンプル化
「楽商」を使い続けてきたことで、業務効率アップと、在庫管理の精度向上という効果も生まれています。
例えば、「仕入と売上の同時処理」によって入力の手間が削減でき、業務処理が効率化されましたが、そのうえに、遠隔地への納品も利益率を正確に算出できるようになりました。以前は、買戻し価格、仕入価格などを抽出し、その意味がわかる人が計算処理しなければならなかったのですから、手数を減らしつつ、管理精度を向上できたということになります。
もうひとつ、商品マスタに事前登録していない新店舗開店時等の、その場限りの商品を諸口コードを使って入力できるのは、「楽商」の標準機能です。日本パック販売では、諸口コードの履歴検索を活用して、以前注文があった商品の入力効率化にも役立てています。
「同じ商品でも状況によって価格が異なる『一物多価』を、標準機能だけで柔軟に管理できています。この業界に合った、完成度の高いシステムだといえるでしょう」とご担当者様は語りました。
今後はハンディターミナルを活用するなどの方法で、在庫管理の精度をさらに高め、適正在庫を追求していきたいと考えています。また、スマートフォンやタブレットの利用も検討中です。得意先の倉庫へ入って包装資材の数を数え、減った分だけ補充するという営業活動もありますから、現場で受注・仕入操作を完結できれば、大きな効率アップにつながるでしょう。
Web-EDI、流通BMS、モバイルなど、最新の流通業界のニーズへいち早く対応してきた「楽商」は、これからも日本パック販売の発展をしっかりと下支えしていきます。
日本パック販売 株式会社 様
代表者:代表取締役 網野 幸和 / 業種:包装資材卸売業
事業内容:包装資材・食品容器・ラッピング用品・関連機器・食品の販売
URL:http://nihonpack.co.jp/
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