導入の背景
手書き伝票による運用から脱却したかった

代表取締役社長 出川 雄一郎氏
創業以来、海苔の卸売・小売事業を展開してきた株式会社蔦金商店様(以下、「蔦金商店」)。日本そば店、スーパー、寿司店など幅広い取引先に、海苔・鰹節・あおさ・昆布などを納めています。
主力商材である海苔は、産地やカットサイズ、加工方法、用途によって細かく種類が分かれます。さらに、顧客ごとに仕様や販売単価も異なるため、見積作成や受注対応には、担当者の経験と知識が欠かせませんでした。
「海苔と一言で言っても、お客様によって好みがあるんです。たとえば、軍艦巻き用の海苔も高さや長さが1件1件のお客様によって要望が違う。その要望を受けてうちの加工場で作業して販売しています」と代表取締役社長の出川雄一郎氏(以下、出川社長)。
特注品は過去の注文内容や価格、加工指示の確認が必要です。そのため、紙の台帳や帳簿の記録を探したり、詳しい人に確認したりする場面が少なくありませんでした。
また、本社店舗や横浜市場営業所では手書き伝票による売上処理が残っており、本社側で売上データを再入力する作業も発生。販売管理業務の多くは、長年の経験と紙ベースの手書き運用によって支えられていたのです。
こうした課題を背景に、販売管理業務の見直しに向けた検討が進められました。
導入の決め手
販売管理にとどまらず、店舗や現場業務まで含めた提案をしてくれた
「うちが重視したのは、単なるシステム更新ではなく、誰が担当しても同じクオリティで業務ができる仕組みの構築でした」と専務取締役の出川夏智子氏(以下、出川専務)。
蔦金商店では、本社での卸売業務、本社店舗での小売販売、横浜市場営業所での販売・請求業務まで、複数の現場で発生する情報を一つの流れとしてつなげる仕組みが求められていました。
「楽商」は、販売管理システムであることに加え、ハンディターミナルやスマレジとの連携を含めた運用提案が可能でした。市場や店舗で発生した売上データを本社と連携できるため、現場業務と本社業務を分断せずに運用できる点が評価されました。
その結果、「楽商」の導入が決定。蔦金商店の実務に合った仕組みづくりが始まりました。
導入前の課題と導入後の効果
顧客ごとの価格・仕様管理を、誰でも確認できるように
「楽商」導入前は、顧客ごとに異なる海苔の商品仕様や販売価格が、システム上で管理されておらず、確認作業が担当者の経験や紙の台帳に依存していました。
例えば、同じ海苔でも、顧客によって産地やサイズ、加工方法が異なりますが、旧システムでは「海苔」・「かつお節」といった大きな分類でしか管理していなかったため、注文のたびに台帳を確認したり担当者へ問い合わせたりすることがありました。
「『前回と同じ内容で』と注文を受けても、内容を把握している担当者でなければ対応できませんでした。 業務が人に依存していることが大きな課題でした」(出川社長)
そこで導入後は、顧客ごとの商品仕様に合わせて商品コードと販売単価を整備しました。必要な情報をシステム上で確認できるようになり、 受注対応のスピード向上と業務の属人化解消につながりました。
また、過去履歴検索機能で直近の受注内容が表示されるので、リピートオーダーにもすぐに対応ができるようになりました。
ハンディターミナルとスマレジの活用により、売上情報の再入力を削減

蔦金商店本社にある小売店舗、横浜市場にある営業所では、これまで手書き伝票による売上処理が行われていました。現場で記入した伝票をもとに、本社で再度売上を入力する必要があり、転記の手間や入力ミスのリスクが発生していました。特に市場では、朝の限られた時間に取引が集中するため、会計処理と事務処理の効率化が大きな課題でした。
「現在、市場ではハンディターミナルを活用し、その場で売上入力とレシート発行を行っています。本社店舗ではスマレジを導入し、バーコードを読み取って会計できる運用へ変更しました。
市場や店舗で発生した売上データは『楽商』へ取り込めるため、 本社での二重入力がなくなりました。売上計上までの流れがスムーズになり、売上管理の精度も向上しています」(出川専務)。
今後の展望
今後は、さらなる業務効率化を見据えた取り組みを進めていく方針です。
請求書発行については、ラクス社の「楽楽明細」と「楽商」を連携して、紙の請求書発行にかかる作業を効率化し、ペーパーレス化も実現できております。
一方で、ネットショッピングを含めた入金消込については、まだ人手で確認する作業が残っています。振込名義人や企業名が登録名称と異なる場合には1件ずつ確認が必要になるため、今後はこの領域についてもさらなる効率化を目指しつつ、より生産性の高い業務体制を追求していきます。
これからシステム導入を検討する企業へのメッセージ
「紙やExcelでの管理でも問題ない」と感じるかもしれません。しかし、事業の成長や人材不足、世代交代を見据えたとき、特定の人にしか分からない業務は大きなリスクになります。
すべての業務を一度に刷新する必要はありません。販売管理、売上、請求など、一部の業務から段階的にシステム化し、それらをつなげていくことで、老舗企業の現場にも無理のないかたちでデジタル化を進めることができます。
こうした取り組みを積み重ねることが、将来に向けた強い業務基盤の構築につながります。
お客様のご紹介
株式会社蔦金商店は、明治27年創業の横浜の老舗海苔問屋です。
海苔を中心に、削り節・昆布・椎茸・お茶など、日本の食文化を支える乾物・食品を幅広く取り扱っています。
全国各地から仕入れた海苔を、用途や要望に合わせて加工・販売し、長年培った目利きと品質管理を強みに、飲食店・小売店・法人顧客へ商品を提供しています。
株式会社蔦金商店
代表者:代表取締役社長 出川 雄一郎 / 業種:食品卸売業(海苔・かつお節・昆布・茶などの業務用・家庭用食品の卸売)
事業内容:海苔、かつお節、昆布、茶などの乾物・食品の卸売を中心に、業務用食材やギフト商品の販売を行っています。また、自社ブランド商品の企画・販売にも取り組み、飲食店や量販店など幅広い取引先へ商品を提供しています。
URL:https://tsutakin.com/index.html
- どのサービスが一番適している?
- 課題がまだまとまっていない。
- こういう事例はある?
- 見積もりだけでもいい?



