お客様のご紹介
株式会社トヨナガ(以下、トヨナガ)は、新車販売(スズキ、マツダ)、中古車販売、車検、整備、鈑金修理をトータルに提供する総合自動車ディーラーです。1970年に中古車販売業をスタートしてから順調にビジネスを拡大し、創立55年目を迎えました。
事業所は群馬県内に9拠点展開しています。群馬テレビ等でのCM放送のほか、毎日曜日にはセスナ機による広告宣伝飛行を約40年間続けており、県内での知名度は抜群。お客様からの信頼を何よりも大切にする地元密着の取り組みと、ネット販売にもいち早く力を入れてきた進取の気概で、年間販売台数は約5,900台(2023年)にのぼります。

抱えていた課題
求めるデータの管理、検索、集計ができなかったスクラッチ開発システム
トヨナガが、販売・在庫管理システム「楽商」JUMPSを導入したのは、2009年のことです。
「2009年以前は、スクラッチ開発したシステムを使っていましたが、とうとう『完成』しませんでした」と、専務取締役の豊田功氏は語ります。
「売上管理はできましたが、付帯する帳票が思うように出てこないため、電卓を叩いて手計算で実績や粗利を出しているありさまでした」と、常務取締役の小菅浩氏。
トヨナガが管理したいと考えるデータは、きわめて細部にわたるものでした。
「当社は創業時から、データ管理を重視してきました。たとえばある車の整備に携わったのがエンジニア3人であれば、誰と誰がどんな作業をして、誰がアシスタントだったかまで正確に記録して、後から検索や集計ができるようにしておきたい。そういうきめ細かいデータ管理が、各人の能力の正当な評価につながりますし、何か問題があったときは的確なトレース(追跡)が短時間ででき、ひいてはお客様の信頼につながるのです」と豊田専務は強調します。

専務取締役の豊田功氏。トヨナガは、豊田専務と代表の長尾秀夫氏が創立した会社で、名字から1文字ずつ取って組み合わせたのが社名となっている。
選定理由
パッケージシステム「楽商」JUMPSと、JSTの卓越したカスタマイズ対応力
スクラッチ開発を担当してきたシステム会社が、これ以上の追加開発は無理なので、思い切って別システムへ移行したほうが良いと推薦してくれた製品が、JSTの「楽商」JUMPSでした。
車両の査定・仕入から、販売管理・顧客管理、納車後の整備に至る全プロセスを一元管理できるうえに、パッケージシステムでありながらカスタマイズにも柔軟に対応できるのが推薦のポイントでした。
「その「楽商」JUMPSであっても、相当なカスタマイズが必要でしたが、JSTは、数々のカスタマイズ要求に対して、すべて前向きに取り組んでくれました。『できません』とは決して言わなかった。他社に比べて、カスタマイズ対応力が抜きん出ていたのです」と小菅常務は当時を振り返ります。
「楽商」JUMPSであればニーズを満たすきめ細かいデータ管理が実現でき、電卓計算や紙のやりとりなどの手作業も大きく減らせることを見極めて、2009年、トヨナガは移行を決断しました。

常務取締役 小菅 浩氏
運用について
総合自動車ディーラーの幅広い業務を一元管理
2009年、整備系の独自帳票開発など、数々のカスタマイズをして「楽商」JUMPSを使い始め、さらに現在までの約15年間で、100項目にのぼるほどのカスタマイズを加えました。
その結果、総合自動車ディーラーの幅広い業務をカバーし、仕入・販売・車検・整備を一貫して管理できる基幹システムを手に入れることができました。
「最初に入力した情報は後プロセスへ確実に引き継がれていき、二度手間は発生しません。1台の車に管理番号を振ったら、以降は、この番号で検索すると、仕入・販売・納車・整備に関するあらゆる情報を一画面で確認できます」と小菅常務。
9拠点の動きが「あたかも1店舗でやっているが如く」ネットワーク統合
本社を含めた9拠点はIP-VPNでネットワーク構築されており、合計151台のパソコンで「楽商」JUMPSを利用しています。
「データ共有力がすごい。あたかも1店舗でやっているが如くの統合力です」と評価するのは、富岡工場工場長の田島真一朗氏。
排他制御が的確に行われているため、離れた事業所で同じ車を重複販売してしまう心配はありません。すべての事業所の査定履歴、販売、整備、在庫などを楽に参照しながら、目の前のお客様へ効果的な営業活動ができます。
予約システムで、7拠点にある整備工場と整備士を管理
Webブラウザ上で、整備作業を予約する「Web予約入力」システムも、「楽商」JUMPSをカスタマイズして開発しました。県内7拠点にある整備工場と整備士の混み具合を一画面でチェックしながら、どこからでも予約・確保ができます。
「このシステムは、車検・鈑金・12カ月点検・メンテナンスパックなど、入庫種別を6種類に細分化して予約・管理するところでかなり苦労しました。ここでもJSTにはカスタマイズ力を発揮してもらいました」と、本部参事の小林英二氏は語ります。

本部参事 小林英二氏
「リコール管理」もカスタマイズ
「楽商」JUMPSのオプション機能である「リコール管理」にも、トヨナガ流のカスタマイズを加えました。
通常のリコール管理は自動車メーカーが提供するメーカーアプリを使います。さらにトヨナガでは、メーカーアプリと同様の管理を「楽商」JUMPSでもできるようにしました。
リコール車の車体番号を「楽商」JUMPSで検索すると、リコール一覧表が自動作成されます。これを元に、必要な修理・整備作業を進め、メーカーへの整備料金請求、売掛処理まで、「楽商」JUMPSで一元管理できるようにしました。

導入効果
きめ細かい顧客サービスをスピーディに
「楽商」JUMPSの導入によって、トヨナガは、総合自動車ディーラーの幅広い業務のシステム化・一元管理と、きめ細かいデータ管理を実現することができました。
しかも、まさに今、どの車がどの整備場に入ったかなど、人や車の動きを全事業所でリアルタイムに知ることができます。在庫回転率、新車/中古車の販売比率など、販売管理で重視している数値も、知りたい時はすぐに直近の動きをチェックできます。
「販売した車両1台について、仕入、販売から整備まで、関連情報を一画面で確認できる車両・顧客照会の機能は、お客様からの電話対応にも非常に役立ちます。顧客情報、売掛買掛状況、原価などまで画面にポップアップ表示されるのです。『タイヤを交換したい』というお話なら、前回までのタイヤ交換の経緯を一画面に表示させて確認し、前回の見積書の内容まで見てお返事できます。かかってきた電話をただの一度も保留にすることなく、瞬時に答えられるのです。時には、『え、そこまでわかるの? すごいね』とお客様が驚かれることもあります」と田島工場長はにこやかに語ります。

かゆいところに手が届くJSTのサポート
「JSTのSEはサポートが的確。この会社で一緒に働いているのではないかと思うくらい、気持ちが通じます。開発中の鈑金見積ソフト連携でも、連携しなければならないソフトのベンダーへ自主的に連絡をとって、必要なやりとりを済ませてくれました。こちらが10の要望を言うと、15くらいの動きをしてくれる感じ。かゆいところに手が届く対応です」と田島工場長。
今後の展望
他システム連携で、「20分かかっている作業を1秒にする」
「今、当社が目指しているのは、内部の充実です。利益率拡大や、社員のより公正な評価に取り組んでいきたい。蓄積してきたデータも、そのためにうまく使いたいと考えています」と豊田専務。
さらに小菅常務は、「業務のさまざまな局面で使っている他システムと「楽商」JUMPSをつなぐことも、大きな課題です。システム連携によって業務を少しでも簡素化できれば、内部の充実にも役立ちます」と語ります。
いま検討中のシステム連携が、鈑金見積システム連携です。
「鈑金見積には専用ソフトを使いますが、入力項目が非常にたくさんあります。それを「楽商」JUMPSへ入力し直して他の情報と合わせて管理しますが、今は手入力であるため、1件入力するのに約20分もかかっています」と田島工場長。
そこで、鈑金見積ソフトから「楽商」JUMPSへ、ボタンを押すだけでデータ連携するしくみの開発を検討中です。
「『20分が1秒に』なりますから楽しみです」と田島工場長は語ります。
電子サイン導入と、複写伝票からの脱却も企画中
タブレットを使った電子サインの導入も検討中です。
注文書はじめ、お客様からサインをいただく書類はたくさんありますが、紙のままでは保存に手間がかかり、検索もしづらい。そこで、iPadなどにサインをしてもらい、PDFファイルにして「楽商」JUMPSの顧客マスターに自動登録するといった流れを考えているところです。
また、注文書・納品書などを複写紙伝票から普通紙伝票に切り替えることも検討中。電子サイン導入をきっかけとして、複写伝票からの脱却と、ペーパーレスのさらなる進化を目指しているのです。
業務改善・改革を目的として、新たなカスタマイズの要求が生まれ続けているトヨナガ。カスタマイズ対応力に優れた「楽商」JUMPSは、今後も同社の意欲的な取り組みをしっかり支えていきます。
株式会社トヨナガ 様
代表者:代表取締役 長尾秀夫 / 業種:商社(自動車・輸送機器関連)
事業内容:新車販売、中古車販売、車検、整備、鈑金修理をトータルに提供する総合自動車ディーラー。常時450~500台を在庫。従業員約230名。
URL:https://www.toyonaga-car.jp/

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