導入の背景
1968年創業の株式会社ヨコハマ機工(以下、「ヨコハマ機工」)は、機械工具や建築資材などの専門商社として、1,000社を超える取引先の現場を支えています。取扱っているボルト・ナット・ネジ・ビス・リベット・釘などの商品は、素材やサイズや加工の違いで数えきれないほどの種類があります。商品の在庫を正確に把握し、迅速に間違いなく供給する体制が会社の生命線です。
しかし、当時は手書き、紙ベースでの業務や、オフコンの運用環境では拠点ごとにシステムを構築・管理する必要があり、本社と拠点間の情報が分断されていたため業務の複雑化が進んでいました。
会社の持続的な成長には、業務の質の向上と効率化に向けたシステムの見直しが不可欠でした。
業務の課題
データ分散と二重入力が生んでいた「非効率」と「ヒューマンエラー」
「楽商」資材BASE導入前の業務は、現在からは想像できないほど属人的かつアナログなものでした。
- 各営業所のデータを本社であらためて打ち込み、取りまとめしないといけない
- 同一商品であっても営業所ごとに異なるコードで登録されていることがあり、
別々のデータとして存在している - 在庫がリアルタイムで把握できないため確認や手配に時間がかかり、顧客に即答できない
まず、営業所の売上などのデータは本社でまとめて入力する運用となっており、本社に業務負荷が集中し、ミスの温床にもなっていました。
売上や利益の集計にも時間がかかり、販売計画や経営判断に必要な情報もすぐに取得できない状況でした。
そして、大きな課題となっていたのが、在庫状況の可視化です。 在庫状況をリアルタイムに把握できなかったため、確認や手配に時間がかかり、顧客の 在庫問い合わせにも即答できないという状況でした。
拠点が増えるほど本社の業務負荷が増え、非効率を拡大させる構造となっており、 課題の 解決には、本社と営業所の運用を一元化し、煩雑な事務作業をデジタル化して作業プ ロセスを減らすことが必要でした。そこで、2004 年に「楽商」資材BASEを導入して 基盤を整え、カスタマイズを行いながら現場が必要とする部分を段階的に改善してい きました。
導入の効果
入力の負担や残業を増やすことなく、売上3倍の成長を支えた業務基盤
毎年着実に新規のお客様が増えており、営業1人あたり30〜60社、多い担当者では200社以上を担当し、全体では1,000社以上と継続的に取引しています。
「楽商」資材BASEを導入してから、売上規模はここ20年で約10憶円から約30億円と3倍となり従業員も増えておりますが、入力の負担や残業時間を増やすことなく、安定した運営体制を維持できています。
各営業所にも「楽商」資材BASEを導入したことをきっかけに、マスタコードを統一。
各営業所から直接データ入力が可能となり、本社に集中していた業務の分散化・効率化を実現。売上や在庫の情報を全社でリアルタイムに共有できるようにもなりました。
自動倉庫システムとの連携で、出荷作業とミスを大幅に削減

オフコンから「楽商」資材BASEに切り替える少し前に、自動倉庫システムの導入を行いました。当初は出荷データをUSBに入れて持ち運び、倉庫システムに再入力していたため転記ミスが発生してしまい、ピッキングミスや誤出荷につながっていました。
「出荷データを毎日倉庫システムに入力する作業は、作業自体もそうですが、入力ミスが顧客への納品ミスにもつながるため、大変だったと思います」と専務取締役の梅宮さや香氏(以下、「梅宮氏」)は当時を振り返ります。
今では、「楽商」資材BASEの出荷データを自動倉庫システムに連携しているので転記が不要になっています。
「転記のプロセスがなくなったことで、出荷業務のスピードと正確性が大きく向上。現場の安心感も生まれました」と梅宮氏。
送り状発行作業が30分から5分に短縮
以前は、「楽商」資材BASEから発行した伝票をもとに、送り状に手書きしていました。
この作業に30分以上の時間がかかっていたため、各運送会社のシステムに連携できないか相談しました。
「今では、運送会社の送り状システムに「楽商」資材BASEの出荷データを吸い込ませて印刷し、貼り付けるだけです。5分くらいで終わるようになりました」と業務部主任の滝沢有紀氏。(以下、「滝沢氏」)
さらに、送り状発行システムの出荷完了データを「楽商」資材BASEに戻して、送り状番号をクリックするだけで各運送会社の荷物お問い合わせ画面に飛べるようにしました。
「建築業のお客様の場合、現場から『注文したものがまだ届かない』というお問い合わせがあります。すぐに配達状況を確認、即答できるようになりました」と滝沢氏。
請求書の電子化で、請求書発行にかかる時間とコストを削減
建築業のお客様の場合、現場別にいくら購入したかが分かる請求書を発行するようにしています。ただ、毎月1,000件以上の発行を行うため、3人体制で印刷・封入作業を行っていました。
請求書の電子化を検討し始めましたが、率直なところ、お客様は紙での請求書に慣れているので、果たして電子データで受け取ってくれるのかという不安がありました。
郵便料金の値上げもあり、電子化を行うことを決断しましたが、当初は半分くらいのお客様が受領してくれればと考えていました。
結果として、今では7割のお客様に対して電子請求書を発行しています。
「体制が変わって郵便配達が遅くなったことで、請求書をすぐに欲しいというお問い合わせにはFAXで先に送ることもありました」と梅宮氏。
印刷や封入作業にかかる時間が大幅に削減できた効果だけではなく、紙の請求書で発生していた「先にFAXで送って欲しい」、「まだ届いていない」というお客様への対応も確実に減ったことも大きな効果です。
「楽商」資材BASEの導入により、基幹システムは単なる業務ツールではなく、顧客満足度を高め、成長を支えるインフラへと進化しました。
今後の展望
ヨコハマ機工にとって、現在の仕組みはまだ完成型ではありません。
入金消込の自動化や蓄積データを活用した高度な分析、AI活用も視野に入れ、さらなるカスタマイズを繰り返しながら、現場のニーズに見合った改善を続けていきたいと考えています。
「効率化は成長へ向けた余力を生み出す取り組みです。さらなる高みを求め続けていけたら良いと思います」(横田氏)
お客様のご紹介
ヨコハマ機工は、工業用ファスナーや機械工具を中心に、50年以上にわたり製造業の現場を支える専門商社です。
多品種・小ロットにも柔軟に対応し、「困っているお客様を助けるのは当たり前。その一歩先を提案する」という姿勢を理念に掲げ、地域に根ざした事業を展開しています。また、地域貢献活動として工業地帯の企業が連携し、子どもたちにものづくりの魅力を伝える体験型イベント「Aozora Factory」にも参画。事業活動と社会貢献を両立しながら、次世代へと価値をつないでいます。
株式会社ヨコハマ機工
代表者:代表取締役社長 横田 勝 / 業種:工業用ファスナー・機械工具の卸売業(専門商社)
事業内容:工業用ファスナー(ボルト・ナット・ネジ・釘等)や機械工具、建築資材を中心に、多品種・小ロットで販売。製造業・建設業向けに最適な製品提案と安定供給を行う専門商社。
URL:https://yokohamakikou.com/
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